もちっとメモ

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もぐりのエンジニアが日々の中で試してみたことを気が向いたときに書き連ねていきます

技術書典14に参加しました

お久しぶりです。 このブログも実に2年ぶりの更新になるようです。 いったいどんだけサボってるんだ...

さて、6/4(日)に技術書典14が終了してはや1週間がたちました。 無事終われてよかったです。

techbookfest.org

技術書典(ぎじゅつしょてん)は新しい技術に出会えるお祭りです。 技術書典は「いろんな技術の普及を手伝いたい」という想いではじまりました。技術書を中心として出展者はノウハウを詰め込み、来場者はこの場にしかないおもしろい技術書をさがし求める、そんな技術に関わる人のための場として我々は技術書典を開催しています。技術書典公式サイトより

弊サークルも参加しており、これで累計3回目の参加になりました。

ご購入いただいた方、またオフラインでスペースにお立ち寄りいただいた方、ありがとうございました。

今年のオフラインの来場者数は2100人だったようです。

コロナ前に比べるとさすがに劣りますが、着実に賑わいを取り戻しているようでうれしいです。

参加者数の推移~技術書典スポンサー資料より https://techbookfest.org/assets/tbf14/for-sponsors.pdf

やっぱり、直接お会いしてお気に入りの技術に関して話せるというのは楽しいですよね!

弊サークルでは、今回は既刊に加えて2冊の新刊を頒布しました。

お品書き

techbookfest.org

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その他既刊についてはサークルページをご覧くださいませ。 techbookfest.org

執筆の裏話

今回は新刊2冊出しており、1冊は私著でもう1冊は友人に書いてもらいました。

PySpark本は、友人のTくんに書いてもらいました。 難易度的にもページ数的にも読みやすい1冊になっています。 また一人技術同人沼に引き込んでしまいましたが、執筆以外の全面サポートしたおかげか、また次も参加したいと言ってくれたのでよかったです。

そして、私が執筆したのはもう1冊のSolr本です。 ひと言で言うと、全文検索エンジンであるSolrと使って、今はやりのベクトル検索をやろうという本です。

そのページ数は、なんと驚異の318ページです。 なるべく多くの人に手に取ってもらいたいなと思い、書きたいことを全部詰め込んだ結果、こんなになってしまいました。 アホみたいなページ数ですよね。 出来上がりを見て自分でもびっくりしました。 こんなにも頭の悪いページ数のレビューをしてくれたSさんありがとう。 会場で直接お話ししたみなさんが口をそろえて、「分厚!」と言っていたのでトチ狂ったページ数であることは間違いなさそうです。

その甲斐あってか、思いのほかいろいろな方に手に取っていただけたようで嬉しかったです。 「はじめに」にも書いた通り、ある程度検索エンジン特にSolrの運用経験のある人をターゲットにしていたのですが、そうでない方にも興味を持っていただけました。

実は、分厚すぎるということで、急きょ当初のターゲット層に絞ったコンパクト版も用意しておりました。

techbookfest.org

今回は3か月前から執筆にとりかかったのですが、えらい時間がかかりました。

ボリュームを考えたらそりゃそうだとと言われそうですが、実は内容量もさることながら、地味に表紙にも時間と手間がかかりました。 表紙制作に苦戦したため、入稿が3週間も後ろ倒しになってしまいました。 印刷所の方ごめんなさい。

表紙作成の苦労話

これまで表紙は知り合いのデザイナーさんにお願いしていたのですが、今回は諸事情あって頼めなかったので自力で作りました。

本編の執筆が押していた今回は、なるべく楽して描き上げたいということで、Stable Diffusion に手を出しました。 これが泥沼の始まりでした。

ローカルに環境を用意して、UIの使い方を覚えるだけでは終わらず、モデルやLoraの選定、プロンプトのチューニングなど、まあ言ってしまえば薄い本が1冊かけるくらいの勉強が必要でした。 思い通りのキャラクター、いわゆるうちの子が出せるようになるまで研究を重ねるのにも苦労しましたが、そこで終われなかったのが大変な所でした。

私はデザインのプロではないですが、各種本の表紙を見ると、タイトルやサークル名を入れるスペースが確保されています。 ところが、Stable Diffusion で何も考えなしに画像を出力すると、枠全体にキャラクターが描画されてしまいます。 プロンプトの工夫で対処もできるんでしょうが、そのための研究とガチャを引き続ける根気は残っていませんでした。

そこで結局 ControlNet を使って、アウトラインだけ書いてディテールはAIに任せようという方針にしました。

ControlNetは Style2Paints を作っていた研究チームが開発した、既存の画像を使って新たに生成する画像のポーズなどを指定できる技術です。

ControlNet を使えば、ダイレクトに所望の構図が生成できるので、闇雲にガチャを引き続けるストレスからは解放されました。

下書きから線画へ
線画から着色をし、img2imgで微調整

タイトルとサークル名、帯を入れて完成

でも草案とはいえ、これだけデザインとプロンプトの研究が必要なんであれば、正直最初から自分で描いた方が早かったかもですね。 まあ、私は塗りや細かい書き込みが苦手なので、これでも少しは楽できたのかもしれません。

文章面では、ChatGPTの力も借りようとしました。 上手いこと使いこなしているサークルさんもいらっしゃいましたが、私は結局自分の文体や強調したい部分のこだわりが強くて、上手く活用できませんでした。

とはいえ、タイトル決めの壁打ち役としては活躍してくれました。

オフライン当日の話

オフライン参加はこれで2度目になるのですが、mochikoAsTechさんやミライ・ハッキング・ラボさんの持ち物リストを参考に準備をしました。 note.com

akademeia.info

幟やデモ機などの備品はなく、こじんまりとしたものだけなのでサークル入場15分前に着けば余裕をもって設営できました。 それでも、本の種類も増えてだいぶ賑やかになってきました。

お恥ずかしながら、後々知ったのですが、まさかお隣がプロの作家さんだったとは!

note.com

開場してからは、整理券のおかげで定期的な波はあるものの、コミケに比べるとスムーズに移動できるのでよかったです。

事前のチェックイン数がわからないので、どのくらいの方がスペースに来てくれるかドキドキでしたが、 知り合いの方を始めとしていろいろな方が来てくれました。 印刷所さんや出版社さん、運営の方々などにもスペースに来ていただいたのですが、ことごとく私が不在のタイミングですみませんでした。

手に取っていただいた方とは、本の分厚さのことはもちろん、 「Solrの本、こと日本語だとぜんぜんないですよね」とか「うちでもちょうど導入を考えていて」といったお話ができて楽しかったです。 やっぱりSolrって知名度あるのに、名著を除くと書籍があまり出回っていないというのは共通認識なんですね。 そんな方々に届いて役立つ1冊になっているなら幸いです。

中には、「これから全文検索を始めたいと思っています」という方もいらっしゃいました。 本の主題は全文検索の次のステップとしてベクトル検索だったんですが、全文検索そのものに一定層の需要があるというのは意外でした。 いっそのことSolrの入門本の方が需要あったんだろうか?

ありがたいことに既刊の物理本は無事完売しました。 売り切れた後も物理本を求めてくださる方がいたのですが、泣く泣く電子版をご案内したのは申し訳なかったです。 でも、印刷費を考えるとまとまった量の需要がないと重版の予定はないんですよね... う~む、悩ましい。

お店番については、やっぱり2人態勢がおすすめです。 最初は1人で店番をやろうかと思っていたのですが、ダメもとで友人に頼んだら快諾してくれたので助かりました。 Tくんありがとう。

ワンフロアの端から端まで回ろうとすると、スペースを離れる時間が長くなってしまうのでワンオペにならなくてよかったです。 これでもコンパクトになった方で、コロナ前は2フロアだったことを思い返すと、当時全スペース回ろうと考えると恐ろしい限りですね。

あと、たま~に、現金払いを求められるのですが、 そろそろ現金対応を検討したほうがいいんですかね?

ほかの方のスペースにお邪魔したときに感じたのですが、名刺はあってもよかったかなと思います。

戦利品

事前にチェックしていたものに加えて、スペースでお話ししていたら、ついつい買ってしまいました。 みなさん、トークお上手ですね。

ちょっとずつ消化していかないと。

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今後に向けて

お祭り自体は大盛況のなか閉幕しましたが、引き続きオンラインショップは随時稼働中です。 電子版でよければ頒布しているので、覗いていってください。 質問、感想お待ちしております。

また、メールあんま見ないなや日別の頒布数の分析したいなという思いから、 サークルの方に届く購入通知メールをSlackに転送+グラフ化するツールを作りました。

頒布通知

会期中に公開までは間に合いませんでしたが、次回までには公開したいと思います。

さて、次回の技術書典15は11/11~とのことですが、テーマどうしましょうか? ベクトル検索を深堀するか、意外と全文検索に興味があるという方もそこそこいらっしゃったので、Solrのチュートリアル本にするか、それともまた違ったネタにするか... う~ん、現状これといったテーマがないんですよね。 もし、この記事を読んでくださった奇特な方がいらっしゃれば、要望もらえると助かります。 書く保証はできませんが、候補には確実に入りますので。

本ブログの次の更新がいつになるかわかりませんが、また次の技術書典には出たいと思っているので、その時にでもお会いできれば!